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消化器内科 石川剛先生を偲んで

2025.09.21

2025年9月19日、当科も日頃より大変お世話になっておりました消化器内科の石川剛先生がご逝去されました。

謹んで哀悼の意を表するとともに、弔辞を掲載いたします。

 

   一昨日、919日に消化器内科の石川剛先生がお亡くなりになり、本日葬儀に参列させていただきました。消化器内科の先生方をはじめ、石川先生とゆかりのある方がたくさんお見えになり、あらためて石川先生の人望の厚さを感じました。

   石川先生には長年がん薬物療法部とがんゲノム医療センターの両方でそれぞれ副部長、副センター長を務めていただいておりました。責任者は私が務めておりますが、特にがんの外来化学療法を担う薬物療法センターにおける石川先生の存在は大きく、これまで大過なくセンターの運営ができたのは石川先生のご尽力のおかげと感謝しております。また、ゲノム医療センターではC-CATに蓄積された膨大なゲノムデータを解析して、難治がんの代表である膵臓がんの遺伝子異常に関する論文をこの2年間に3報も英文一流誌に報告されています。驚くべきことに患部の状態がおもわしくなく、消化管のステント治療を受けながら、4つ目の論文を執筆されて私とも内容についてメールでディスカッションを繰り返しておりました。リサーチにかける熱意は最後まで衰えることがなく本当に頭が下がる思いです。

   緩和ケア病棟に入院される前に、体調不良をおしてがん薬物療法部の会議に参加いただき、スタッフの皆さんにご挨拶されましたが、私が石川先生と言葉を交わす機会はそれが最後になりました。まだ50代と若く、将来は当院のがん薬物療法を牽引するリーダーとして期待していただけに、石川先生を失ったことは極めて残念でなりません。

   出棺の前に喪主である奥様から会葬の皆様にお礼のご挨拶がありました。長い闘病生活であったにも関わらずご家族に心配をかけまいとする石川先生の優しさが身に染みるお話しで、石川先生の穏やかなお顔が思い出されました。石川先生のご冥福を心よりお祈りいたします。どうか安らかにお休みください。

 

京都府立医科大学附属病院

がん薬物療法部部長

がんゲノム医療センター長

髙山浩一

 

写真はがんゲノム医療センターで、異動される消化器内科森田先生の送別会をした時のものです、石川先生は前列左から2番目(2024年4月)

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