研究・実績

当科では京都府立医科大学医学倫理審査委員会の承認を受けた研究を行っております。
これらの研究への協力を希望されない場合、もしくは内容にご不明な点がある場合は、各研究の担当者へお知らせ下さい。
  
   研究内容の確認は、こちらへ

 

基礎・橋渡し研究について

当科では、呼吸器疾患を研究対象に、その本態解明および新規診断・治療法開発を目指した基礎・橋渡し研究を精力的に進めています。また国内外の研究施設との共同研究を行っております。

当科でこれまでに
取り組んできた研究内容

1) ドライバー遺伝子変異陽性肺がんを対象にした治療抵抗性に関する研究

現在、我が国の肺がん患者の約25%はEGFRと呼ばれる遺伝子が変異し異常に活性化しています。その他にも、ALK、ROS1、RET、NTRKの融合遺伝子や、MET、BRAF、KRAS、HER2の遺伝子の変異のように、数多くの遺伝子異常が肺がんの生存・増殖に深く関与することが同定されました。このような患者さんに対する治療薬として、それぞれの標的分子を阻害するがん分子標的薬が新たに臨床開発されてきました。中でも、EGFR遺伝子変異陽性肺がんやALK融合遺伝子陽性肺がんでは、すでに複数の分子標的薬が臨床で使用されています。これらの阻害薬による治療は高い確率で奏効するものの、一部のがん細胞は残存し、薬剤耐性を獲得することが現在、臨床において大きな問題となっています。これまでに我々を含めた多くの研究グループから、EGFR阻害薬に耐性化する原因を見つけ出し、その研究成果を基に耐性化したがん細胞にも効く新世代治療薬が開発されてきました。しかし、新世代薬にも再び耐性が起こり、新薬開発とその耐性化は現在の大きな臨床的課題の一つです。
最近の基礎研究から、がん治療における「治療抵抗性細胞」の存在が提唱され、がん研究の領域において大きな注目を集めています。この治療抵抗性細胞は治療開始時から薬の効果が低く、薬による細胞死を免れることが知られています。

(A)EGFR遺伝子変異肺がんを対象とした研究

我々の研究グループは、これまでに金沢大学や長崎大学、南方医科大学(中国)との共同研究により、EGFR阻害薬に対する治療抵抗性細胞の原因として、AXL蛋白がEGFRやHER3と結合することで活性化し、SPRY4-AXLによるnegative feedbackを介して、生存シグナルを維持していることを明らかにしました。さらに、AXL高発現を有する肺がんでは低発現肺がんに比べ、EGFR阻害薬の感受性が低下し、これらはAXL阻害によりEGFR阻害薬の治療効果を高めることがわかりました。(Nat Commun 2019;10(1):259)

さらに、我々はマウス動物実験モデルを用いて、新規開発中のAXL阻害薬をEGFR阻害薬と併用することで、がん細胞をほぼ死滅させ、再発を著明に遅らせることを示しました。これらの2剤を最初から併用した方が、EGFR阻害薬の耐性獲得後に併用した時と比較して、より高い治療効果が得られることを発見しました。(Clin Cancer Res 2020;26(9):2244-2256)

一方、AXL低発現肺がんについては、インスリン様増殖因子1受容体(IGF-1R)のタンパク質量を増やすことにより、EGFR阻害薬に対する治療抵抗性を獲得し、生き延びることを明らかにしました。また、治療当初からIGF-1R分子を短期間抑えることでEGFR阻害薬の治療効果が増強し、根治あるいは再発までの期間を劇的に伸ばすことを発見しました。(Nat Commun 2020;11(1):4607)

(図)EGFR阻害薬とAXL阻害薬の併用治療効果

(図)EGFR阻害薬とAXL阻害薬の併用治療効果

図)AXLシグナル伝達による肺がん分子標的薬の治療抵抗性メカニズム

(図)AXLシグナル伝達による肺がん分子標的薬の治療抵抗性メカニズム

以上より、AXLやIGF-1R分子を初期から抑えることで肺がんに対する治療効果が改善し、新たな治療法として期待されています。我々は、これらの研究成果を臨床に還元することを目的に、現在、臨床研究や治験に取り組んでいます。(文責 山田)

 

(B)ALK融合遺伝子肺がんを対象とした研究

 我々の研究グループでは、公益財団法人がん研究会がん化学療法センターや金沢大学との共同研究によって、ALK 阻害薬にさらされたがん細胞が「初期抵抗性」を獲得して生き残ることに着目し、初期抵抗性獲得のメカニズムとしてHER3 シグナルやJNKシグナルが活性化することで細胞が生き残ることを明らかにしました。加えて、がん細胞が HER3 の活性化に関与する因子として、遺伝子の転写の制御に関わるZEB1 蛋白が、JNKのシグナル活性化に関与する因子として、アポトーシス関連分子のひとつであるBcl-xL蛋白が、それぞれ鍵になることを明らかにしました。    (NPJ Precis Oncol. 2022 Jan 18;6(1):5) (Cancer Lett. 2021 Dec 1;522:119-128)

このうち、 ZEB1 分子は、細胞の性質を「間葉系」の状態に導く蛋白の一つであり、間葉系の性質を持つ肺がん患者さんは、ALK阻害薬アレセンサの効果が得られにくいことが知られています。間葉系以外の肺がんでは ALK 阻害薬だけでもがん細胞の増殖を押さえ込める可能性が高いですが、間葉系の場合はがん細胞が生き残り、早期に再発してしまいます。のような間葉系のがんに対して、HER3 を阻害する薬を ALK 阻害薬と初期から併用することで、肺がん細胞をほぼ死滅させ再発までの期間を大幅に延ばせることが、ALK 肺がん細胞を用いた動物モデルの実験でも示されました。

本研究成果により、ALK 融合遺伝子を有する肺がん患者さんの中でALK阻害薬が効きにくい方を、がん細胞が間葉系の性質を持っているかで判断できること、さらに ALK 阻害薬とHER3 阻害薬との併用治療が「がんの初期抵抗性」を克服し、再発までの期間を大幅に伸ばせる有効な治療法であることが明らかになりました。この治療法が実際の患者さんの治療へと発展すれば、ALK肺がん患者さんの治療成績を向上させることが期待されます。

 (文責 谷村、山田)

2) 間質圧の上昇が肺癌に及ぼす影響に関する研究

慢性炎症が癌のリスクファクターであることはよく知られており、炎症時に免疫細胞から分泌されるサイトカインなどが癌の促進に働くことがその主な原因と考えられてきました。一方、慢性炎症は間質圧を上昇させることが知られており、ほとんどの癌組織でも間質圧が上昇しています。しかし、間質側からの物理的な圧が癌細胞に及ぼす影響はよく分かっていませんでした。我々は肺癌の培養細胞を用いて物理的な圧力の影響を調べ、基底側(間質側)からの圧によって上皮の重層化・極性異常や増殖の亢進・アポトーシスの抑制などが引き起こされることを見出しています。

(図)間質圧が肺癌細胞に及ぼす影響

 

このような肺癌の培養細胞で認められた変化はヒトの肺癌組織の電子顕微鏡による解析でも確認されており、がん微小環境でこれまであまり注目されてこなかった「間質圧」が人の肺癌の病態において重要な役割を果たすことが示唆されています。

(図)間質圧をターゲットとした新たな治療法の開拓

これまでの研究から間質圧によって引き起こされる肺癌細胞の重層化や増殖亢進に関わるシグナル経路が明らかになってきています。今後は間質圧の上昇が肺癌を促進するメカニズムの解明をさらに進め、新たな角度からアプローチする肺癌の治療戦略を開拓することを目指しています。(文責 徳田)

3)  準備中

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4)  準備中

準備中

5)  準備中

準備中

臨床研究について

2016年より当科を中心に多施設共同臨床研究グループ(SPIRALグループ)を立ち上げ、本学CRO機関とも協力して積極的に臨床研究を進めています。同グループには九州から関東まで約60施設のがん診療に関する基幹病院に参加していただいており、現在合計で約20の介入試験を実施しております。定期的な研究グループの会合も実施しており、円滑かつ迅速な試験実施を推進しています。

また、医師の自主的な臨床研究だけでなく、企業より資金を調達して複数の医師主導治験を立案、実施も行っています。これにより、現在は適応外とされている患者にも新規薬剤の適応を拡大して恩恵をもたらしたいと考えています。

一方、臨床試験の実施については臨床研究法の施行などを受けて、医師主導での立案実施が困難な状況に置かれてきています。したがって、今後は質の高い診療・研究の実現や、特に高い資源投入が要求される開発後期の臨床試験に関して運用の適正化が求められる状況です。

例えば臨床試験・治験で情報を収集すると極めて高額な費用が必要である状況において、質の高いエビデンスとして活用できるデータが示せる信頼性の高いレジストリを整備し、欧米と同様、薬事分野をはじめとして、リアルワールドデータの利活用を促進することが重要であると考えます。そのような方向性での臨床研究についてもシステムの構築についてなどの研究を進める予定です。(文責 内野)

臨床研究、臨床研究法の対象:特定臨床研究、治験

当科で現在実施中の治験・臨床試験内容

1) 悪液質を合併した非小細胞肺癌に対する治験

対象:血中GDF-15高値の悪液質を合併した非小細胞肺癌の患者様

治療:治験薬(抗体医薬品)またはプラセボ

登録開始予定時期:開始済み

登録終了予定時期:2024年2月

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2)PD-L1低発現の未治療進行期非扁平上皮非小細胞肺癌に対する治験

対象:PD-L1低発現の未治療ドライバー遺伝子変異陰性の進行期非扁平上皮非小細胞肺癌の患者様

治療:カルボプラチン(またはシスプラチン)+ペムブロリズマブ+治験薬(抗体薬物複合体)
   または ペムブロリズマブ+治験薬(抗体薬物複合体)
   または カルボプラチン(またはシスプラチン)+ペメトレキセド+ペムブロリズマブ

登録開始予定時期:2023年4月頃

登録終了予定時期:未定

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3) 悪液質を合併した進行期非小細胞肺癌に対する臨床試験(SPIRAL-ANA)

対象:悪液質を合併した進行期非小細胞肺癌の患者様

治療:プラチナ併用療法+免疫チェックポイント阻害薬+アナモレリン

登録開始予定時期:開始済み

登録終了予定時期:2023年7月

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4) 脳転移を有するEGFR遺伝子変異陽性未治療進行期非小細胞肺癌に対する臨床試験(SPIRAL-BRAIN)

対象:脳転移があるEGFR遺伝子変異陽性未治療進行期非小細胞肺癌の患者様

治療:エルロチニブ+ラムシルマブ

登録開始予定時期:開始済み

登録終了予定時期:2024年6月

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5) PD-L1高発現のEGFR遺伝子エクソン19欠失変異陽性未治療進行期非小細胞肺癌に対する臨床試験(SPIRAL-3D)

対象:PD-L1高発現のEGFR遺伝子エクソン19欠失変異陽性未治療進行期非小細胞肺癌の患者様

治療:エルロチニブ+ラムシルマブ

登録開始予定時期:開始済み

登録終了予定時期:2024年6月

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6) 悪液質を合併した高齢者の未治療進行期非小細胞肺癌に対する臨床試験(NEXTAC-Ⅲ)

対象:悪液質を合併した高齢(70歳以上)の未治療進行期非小細胞肺癌の患者様

治療:栄養療法+運動療法+アナモレリン+通常治療またはアナモレリン+通常治療

登録開始予定時期:開始済み

登録終了予定時期:2024年11月

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当科でこれまでに取り組んできた研究内容

1) がん悪液質に関する研究~NEXTAC研究について~

進行期がん患者さんにとってがん悪液質はQOLを下げ、治療抵抗性をもたらし、予後を縮めうる非常に厄介な病態です。「通常の栄養サポートでは完全に回復することができず、進行性の機能障害に至る、骨格筋量の持続的な減少(脂肪量減少の有無を問わない)を特徴とする多因子性の症候群」と定義されており、その病態には定義の通り様々ながんに関連する因子が複雑に絡み合っています。がん悪液質は進行期がん患者さんの8割に認められ、肺がんでも死因の5割を占めるといわれています。にもかかわらず、その病態の複雑性からがん悪液質に対する有効な治療法はいまだに確立していません。

がん悪液質ハンドブック( http://jascc.jp/wp/wp-content/uploads/2019/03/cachexia_handbook-4.pdf )より

がん悪液質ハンドブック( http://jascc.jp/wp/wp-content/uploads/2019/03/cachexia_handbook-4.pdf )より

これに対し2016年8月より当院を含む国内4施設(京都府立医科大学附属病院、国立がん研究センター東病院、静岡県立静岡がんセンター、新潟県立がんセンター新潟病院)において、悪液質リスクの高い高齢進行がん患者に対して、初回化学療法導入時より栄養と運動を組み合わせた複合介入プログラム(The Nutrition and Exercise Treatment for Advanced Cancer(NEXTAC) program)の開発を目的に臨床試験を実施しています。

過去の試験では患者さんのADLの低下などによりプログラムが持続できず十分な効果が得られないなどの結果でしたが、本プログラムはすでに第Ⅰ相試験(NEXTAC-ONE)の結果は出ており、高齢進行期がん患者においても安全に継続可能なことが示されました。 (Naito T, et al. J Cachexia Sarcopenia Muscle. 2019 ;10(1): 73-83.)

現在はその効果をみるべく第Ⅱ相試験(NEXTAC-TWO)が進んでいます。本プログラムの効果が確認されれば、悪液質に対する介入法としては初めて有効性、安全性、持続可能性が示された治療法が確立されることと期待されます。(文責 田中)

2) EGFR遺伝子変異陽性肺がんに対する、Dacomitinib治療の皮膚障害予防に関する研究

EGFR遺伝子変異陽性肺がんに対しては、EGFRチロシンキナーゼ阻害薬(EGFR-TKI)が有効です。第二世代EGFR-TKIであるDacomitinibは、第一世代EGFR-TKIであるGefitinibと比較し、無増悪生存期間を有意に延長し、その有効性が認められています。しかし、副作用である皮膚障害が治療上の課題であり、現在本学を中心に皮膚障害の予防を目的とした臨床試験を行っております。

治療開始時よりステロイド外用薬、保湿剤(ヘパリン類似物質)、日焼け止め、ミノサイクリン内服を併用し、皮膚障害の軽減効果を検討しております。本試験を通して、有効な薬剤を、より副作用を軽減した形で使えるよう臨床へフィードバックすることを目指しております。(Iwasaku M, et al. Transl Lung Cancer Res. 2019;8(4):519-523)。(文責 岩破)

3) 肺がん疑い患者における気管支鏡検査前後の不安・抑うつ状態に対するミルタザピン治療効果の検討

がん患者にはうつ症状が多いこと、うつ症状によりQOLのみならず疾患予後が悪化することが既に知られています。2017-18年、当科で肺がん精査目的に気管支鏡検査を受けて頂いた患者さまを対象に、検査前にHADS1・FACT-L2による抑うつ評価を行い、抑うつ症状を認めた方にはmirtazapineによる治療介入を行う前向き介入研究を行いました。

肺がん確定前の検査の時から約半数の患者さんに抑うつ症状を認めること、HADS scoreに影響する症状として咳(p=0.002)、呼吸困難感(p=0.001)が挙げられた。また比較的早期に血中濃度が安定するミルタザピンは診断前抑うつ症状の緩和に効果がある (HADS 変化2.8 points; mean) ことが示されました。(Kaneko Y, et al. Intern Med. 2020; 59: 1605-1610)(文責 金子)

1 HADS : Hospital Anxiety and Depression Scale
2 FACT-L : Functional Assessment of Cancer Therapy – Lung

図:抑うつ症状の程度を示すHADS scoreに影響する要因
図:抑うつ症状の程度を示すHADS scoreに影響する要因

図:抑うつ症状の程度を示すHADS scoreに影響する要因

4)EGFR遺伝子変異陽性肺がんのオシメルチニブ治療効果に関する検討

腫瘍内programmed death-ligand 1PD-L1)発現は進行非小細胞肺がんの免疫治療における効果予測因子として現在の日常診療で汎用されている検査項目です。しかしながら、EGFR遺伝子変異肺がんに対する分子標的薬であるオシメルチニブの効果への役割は明らかではありません。

これまでに我々は国内14施設の多施設共同研究を行い、未治療EGFR遺伝子変異陽性肺がん患者さん101例を研究対象に、オシメルチニブの治療効果と患者背景因子を前向きに検討しました。今回の解析の結果、腫瘍内PD-L1高発現を有するEGFR遺伝子変異陽性肺がん患者さんは、オシメルチニブの治療効果が不良であることを明らかにしました(下図:p = 0.029)。(Transl Lung Cancer Res. 2021;10(8):3582-3593

今後は、本研究で得られた新たな知見を基に、腫瘍内PD-L1高発現がオシメルチニブ効果に与える影響について、そのメカニズムの解明を進めていく予定です。(文責 吉村、山田)

5)がん悪液質が進行非小細胞肺がん患者への複合免疫療法に与える影響

がん悪液質は食欲不振や倦怠感、体重減少などに加えて、抗がん剤の効果を減弱、副作用中止率の増加、さらには生存期間にも影響を及ぼすとされており、がん診療においてよく遭遇する病態です。日本では2018年末に、細胞傷害性抗癌薬と免疫チェックポイント阻害薬を併用する、複合免疫療法が新たに進行期非小細胞肺癌患者の初回治療のひとつとして承認されました。しかし、これまで、がん悪液質が複合免疫療法の治療効果に与える影響は明らかではありませんでした。

我々は複合免疫療法を投与された症例をがん悪液質群(50)と非がん悪液質群(146)に分け、比較しました。 その結果、がん悪液質群は非がん悪液質群と比較して、複合免疫療法による無増悪生存期間が有意に短いことを示しました。(p=0.04)さらにがん悪液質群は、非がん悪液質群と比べて、PD-L1()高発現 (50%)が多く認められることを初めて明らかにしています。 (51.0% vs. 29.1%)Morimoto K, et al. Oncoimmunology. 2021;10(1):1950411.)(文責 森本健司)

PD-L1(の発現率):PD-L1はがん細胞の表面に存在するタンパク質であり、PD-L1発現率はその存在する程度を示します。非小細胞肺がんにおいてはPD-L1発現率の高い方が、治療効果は高いとされています。

(図 がん悪液質の有無で比較した無増悪生存期間)

(図 がん悪液質の有無で比較したPD-L1の発現率)

6)進行非小細胞肺がん患者への複合免疫療法の治療効果に関わる因子の同定を目指した研究

進行非小細胞肺がん患者に対する複合免疫療法(細胞傷害性抗癌薬+免疫チェックポイント阻害薬)は初回治療の有望な選択肢です。しかし、この治療法の歴史は浅く、治療効果の予測因子や治療に適した患者の選択方法など、多くの検討されるべき課題があります。我々は免疫療法に関連する様々な因子(①抗核抗体、②免疫関連有害事象【以下、irAE】、③年齢)に注目し、複合免疫療法との関連を調査してきました。

①自己に対する抗体のひとつである、抗核抗体について、抗核抗体陽性 (抗体価160倍以上と定義)群は 抗核抗体陰性群と比較して、複合免疫療法の全生存期間が有意に短いことを示しました。(p=0.0195)Morimoto K, et al. Med Oncol. 2020;37(12):111

 ②irAEとは免疫チェックポイント阻害薬によって生じる、免疫が介在する副作用です。irAE を認めた群は irAE を認めなかった群と比較して,複合免疫療法の無増悪生存期間が有意に長いことを示しました。 (p=0.023)Morimoto K, et al. Front Oncol. 2021;11:630136

 ③複合免疫療法の治療内容には複数の種類がありますが、このうち、ペメトレキセドを含む治療(白金製剤+ペメトレキセド+ペムブロリズマブ)、パクリタキセルを含む治療(白金製剤+パクリタキセル/ナブパクリタキセル+ペムブロリズマブ)の2つの治療内容において、年齢による影響を評価しました。高齢者を75歳以上と定義し、75歳以上と75歳未満でペメトレキセドを含む治療とパクリタキセルを含む治療の治療効果を調査しています。その結果、ペメトレキセドを含む治療では75歳以上で有意に全生存期間が不良である一方(p<0.001)、パクリタキセルを含む治療では75歳以上と75歳未満で全生存期間に明らかな差を認めませんでした。(p=0.82) (Morimoto K, et al. Lung Cancer. 2021 Nov;161:26-33)(文責 森本健司)

(① 図:抗核抗体の有無で分けた全生存期間)

(② 図:irAEの有無で分けた無増悪生存期間の比較)

(③ 図:年齢で分けた、ペメトレキセドを含む治療とパクリタキセルを含む治療の全生存期間)

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受賞歴

当科の各方面での活躍が評価されました。

2024年度

河内勇人先生が令和5年度京都府立医科大学学友会青蓮賞を受賞!|2024年3月

【河内先生からのコメント】大学院3年生の河内 勇人です。 この度、研究論文「Concomitant Proton Pump Inhibitor Use With Pembrolizumab Monotherapy vs Immune Checkpoint Inhibitor Plus Chemotherapy in Patients with Non-Small Cell Lung Cancer」が京都府立医科大学学友会より令和5年度 青蓮賞に選出されました。本賞は優れた研究成果を発表した若手研究者を対象に表彰されるものであり、大変名誉ある賞をいただき光栄に思います。 また、本研究が肺癌・腫瘍領域に限らず、学内の他領域を専門とされる先生方にもご評価いただけたことを非常に嬉しく思います。山田准教授、髙山教授をはじめとして、多くの先生方のご指導ご協力によって、このように高く評価される研究成果になりましたことを改めて感謝申し上げます。これからも実臨床に還元できる新たな知見を発信できるように精進してまいります。

中邨亮太先生が第1回がんプロ研究シンポジウム優秀演題賞を受賞!|2024年2月

【中邨先生からのコメント】 大学院3年生の中邨亮太です。このたび、第1回がんプロ研究シンポジウムで『EGFR遺伝子変異陽性肺がんに対する根治的初期併用療法確立を目指した研究』について発表を行い、優秀演題賞をいただきました。本研究は、EGFR遺伝子変異陽性肺がんにおけるEGFR阻害薬+AXL阻害薬の初期耐性にFGFシグナルが重要な役割を担っていることを示したものです。このような賞をいただき、大変光栄に思います。本研究のご指導をいただいた髙山教授、山田准教授をはじめ、本研究にご協力いただいた皆様に感謝申し上げます。今後も基礎的な視点を持って目の前にいる患者さんの予後を改善するような肺がん研究を継続して参りたいと考えております。引き続きご指導ご鞭撻のほど宜しくお願い申し上げます。

集合写真(中邨先生は左から2番目)

瀬戸友利恵先生がWLB(ワークライフバランス)若手研究者賞を受賞!|2024年1月

【瀬戸先生からのコメント】 西陣病院 内科医長・呼吸器内科の瀬戸と申します。令和5年度まで、本学大学院生として臨床研究を行っていました。この度、WLB若手研究者賞を受賞いたしましたのでご報告させていただきます。対象論文は、高齢の進行期非小細胞肺癌患者に関する予後予測因子の検討(Transl Lung Cancer Res. 2021 Jan;10(1):193-201. )と、原発性肺癌の放射線治療に伴う放射線誘発肺損傷における血清TGF-β推移に関する検討です(Transl Lung Cancer Res. 2022 Sep;11(9):1823-1834.)。ちなみにWLBとは、「ワークライフバランス」の略語であり、「仕事と生活の調和」のことです。私には今7歳になる娘がいますが、子育てをしながらの大学院生活は、まさに試行錯誤の連続でした。子育ても研究も上手く進まず頭を抱える時もありましたが、そんな中でも少しずつ、隙間時間で積み重ねていくことの大切さを学びました。また、子育ても仕事も充実させていくためにはどうしていくべきか、改めて深く考える機会にもなりました。今年4月より臨床に復帰しておりますが、あの時の経験が活きていることを改めて実感しています。ご指導いただいた金子先生や髙山先生をはじめ、いつもサポートしてくださった先生方や家族、研究に携わってくださった方々に、心より感謝申し上げます。

集合写真等はWLB支援センターのご厚意で掲載許可をいただきました(瀬戸先生は左から3番目、司会を務めた金子美子先生は右から3番目)。

準備中

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2023年度

藤井博之先生(国立がん研究センター中央病院に留学中)がESMO Asia Congress 2023 Best Poster Awardを受賞しました!|2023年12月

【藤井先生からのコメント】大学院生の藤井です。2023年12月1-3日にシンガポールで開催されたESMO Asia Congress 2023にて行ったポスター発表 "Expression of estrogen receptor is a negative predictive biomarker for immunotherapy with lenvatinib plus pembrolizumab for advanced endometrial cancer with pMMR."で Best Poster Awardを受賞する事が出来ました。受賞対象となったのは国内留学先である国立がん研究センター中央病院において、西川忠曉先生、米盛勧先生をはじめとした腫瘍内科の先生方に御指導頂いた研究です。後方視的にpMMRの進行子宮体癌に対するLenvatinib+Pembrolizumab併用療法の効果予測因子を検討しました。胸部腫瘍分野とは離れた研究内容ですが、免疫療法を比較的多く行う呼吸器内科医の視点から見た他がん種の免疫療法におけるClinical Questionの解決に挑んだ研究です。臓器横断的にがん治療を学ぶ事が出来る、国立がん研究センターならではのコラボレーション研究になったのではないかと思っています。御指導頂きました多くの先生方に厚く御礼申し上げるとともに、今後も継続して新たな知見を発信できるように、精進して参ります。

写真は2023年12月3日 Suntec Singapore Convention & Exhibition Center にて

中邨亮太先生・平井聡一先生・藤井博之先生がESMO Asia 2023 Travel Grantを獲得!|2023年12月

【中邨先生からのコメント】 この度、”ESMO Asia 2023 Travel Grant”をいただき、2023年12月にシンガポールで開催されたESMO Asia 2023に参加させていただきました。このような機会を与えていただき、感謝申し上げます。今後も同学会で学んだことを糧に精進して参りたいと思います。今後ともどうぞ宜しくお願い申し上げます。

河内勇人先生・片山勇輝先生が2023年度 日本肺癌学会 若手奨励賞を受賞しました(6人中の2人です)!|2023年11月

【河内先生からのコメント】この度、大学院の研究成果である『Concomitant Proton Pump Inhibitor Use With Pembrolizumab Monotherapy vs Immune Checkpoint Inhibitor Plus Chemotherapy in Patients With Non-Small Cell Lung Cancer』が、日本肺癌学会若手奨励賞に選ばれました。 このような高い評価をいただき、大変光栄に感じております。 本研究では、多施設共同後ろ向き観察研究によって、実臨床での治療選択に悩むPD-L1高発現非小細胞肺癌の集団に対して、プロトンポンプ阻害薬の内服歴が免疫チェックポイント阻害薬単剤と複合免疫療法の治療選択の予測因子として有用であることを初めて明らかにしました。 この研究で明らかになった知見が、他癌腫への結果の反映、ICI単剤療法の効果不良を克服する新規治療法の開発などといった発展することが期待されます。 今後も、実臨床に還元できる肺がんに関する新たな知見を発信していけるよう、より一層精進していきたいと思います。 最後に、髙山教授、山田准教授をはじめとした本研究にご協力いただきました多くの先生方に感謝申し上げます。

河内勇人先生が令和4年度医学研究国際化推進事業 海外学会発表賞 優良賞を受賞!!|2023年6月

大学院生の河内です。 昨年、IASLC 2022 Asia Conference on Lung Cancerで発表させていただきました“Analysis of PD-L1 negative subgroups in real world survey (CRIMSON) of definitive chemoradiotherapy in locally advanced NSCLC”が令和4年度医学研究国際化推進事業 海外学会発表賞 優良賞を受賞いたしました。 このような名誉な賞をいただき、大変ありがたく存じますと共に、ご指導ご協力頂きました先生方に深く感謝申し上げます。 今後も継続して新たな知見を発信できるように、精進してまいります。 引き続きよろしくお願い申し上げます。

2022年度

谷村恵子先生が日本肺癌学会若手奨励賞を受賞!!|2022年12月

日本肺癌学会若手奨励賞に谷村恵子先生が選ばれました!

京都第二赤十字病院呼吸器内科の谷村恵子です。このたび、大学院の研究成果『HER3 activation contributes toward the emergence of ALK inhibitor-tolerant cells in ALK-rearranged lung cancer with mesenchymal features』が、日本肺癌学会若手奨励賞に選ばれました。当科からは、2020年度の大倉直子先生に引き続いての、2人目の受賞となります。 研究の内容は、ALK融合遺伝子陽性肺がんにおけるALK阻害薬の初期耐性にHER3シグナルの活性化が関与していることを示したものになります。大学の肺がん基礎研究グループでは分子標的治療薬に対する治療抵抗性機構に関する研究に取り組んでおり、今回の受賞はこの研究テーマが学会でも高く評価された結果で、同研究に携われたことを大変嬉しく感じております。また、今後も肺がんに関する新たな知見を発信していけるよう、さらに精進していきたいと思います。 この研究は髙山教授、山田准教授をはじめ、多くの先生方にご指導・ご協力頂いて完成させることが出来ました。この場を借りて改めて御礼申し上げます。

徳田深作先生が2022年度ENT M Dr. 浅野登&暉子基金 医学基礎研究助成金に選定!!|2022年12月

2022年度ENT M Dr. 浅野登&暉子基金医学基礎研究助成金に徳田深作先生が選ばれました!

呼吸器内科助教の徳田です。 この度、ENT M Dr.浅野登&暉子基金に研究課題「肺癌の病態における間質圧上昇の役割の解明と新たな治療法の開拓」を採択いただき、11月27日に開催された贈呈式に出席いたしました。 今回の受賞を励みにさらに研究を発展させていきたいと考えております。

森本健司先生が令和3年度医学研究国際化推進事業「論文賞」の優良賞を受賞!!|2022年10月

令和3年度医学研究国際化推進事業「論文賞」の優良賞に森本健司先生が選ばれました!

呼吸器内科/がん薬物療法部助教の森本健司です。昨年、OncoImmunology誌に掲載されました “Impact of cancer cachexia on the therapeutic outcome of combined chemoimmunotherapy in patients with non-small cell lung cancer: a retrospective study”が評価され、令和3年度医学研究国際化推進事業「論文賞」の優良賞を受賞させていただきました。 本研究結果をもとに、現在、”SPIRAL-ANA study”が進行中です。 https://rctportal.niph.go.jp/s/detail/um... このような賞をいただき、大変ありがたく存じます。 髙山教授、内野先生をはじめ、ご指導頂きました先生方に深く感謝申し上げます。 今後も新たな知見を発信できるように、精進してまいります。

谷村恵子先生が2021年度日本がん分子標的治療学会研究奨励賞を受賞!!|2022年6月

2021年度日本がん分子標的治療学会研究奨励賞に谷村恵子先生が選ばれました!

コメント:京都第二赤十字病院の谷村恵子です。 このたび、日本がん分子標的治療学会の2021年度研究奨励賞を受賞致しました。伝統のある学会にて奨励賞に選出頂き、大変光栄に存じます。 今回受賞に至った研究テーマ:ALK肺がんにおける初期治療抵抗性の研究は、研究の基礎からご指導頂きました髙山教授、山田准教授をはじめ、多くの先生方のお力をお借りすることで達成できた成果であり、この場を借りて改めて御礼申し上げます。 この受賞を励みに、これからも真摯に研究に取り組んでいきたいと思いますので、ご指導ご鞭撻の程よろしくお願い申し上げます。

中邨亮太先生が第26回日本がん分子標的治療学会ポスター賞を受賞!!|2022年6月

第26回日本がん分子標的治療学会ポスター賞に中邨亮太先生が選ばれました!

コメント:この度、”進行非小細胞肺がん患者を対象としたがん悪液質と腫瘍内PD-L1発現に関する臨床的検討”について学会発表を行い、ポスター賞を受賞しました。このような賞を受賞することができ、大変嬉しく思います。ご指導いただいた先生方、どうもありがとうございました。引き続きご指導ご鞭撻のほど、何卒宜しくお願い申し上げます。

山田忠明先生が令和3年度高松宮妃癌研究基金 研究助成金に選定!!|2022年1月

令和3年度高松宮妃癌研究基金 研究助成金対象者に山田忠明先生が選ばれました!

コメント:この度、”希少肺がんのAXLを介した治療抵抗性シグナルを標的とした診断・治療法の開発”をテーマにした研究が選定され、たいへん光栄に存じます。肺がん薬物治療は個別化医療の実現に向け、精力的な取り組みが進められていますが、いまだ道半ばです。今回いただいた助成金は、今後の研究資金として、大切に活用させていただきたいと考えております。ありがとうございました。

2021年度

吉村彰紘先生が2021年度ENT M Dr.浅野登&暉子基金 医学基礎研究奨励金に選定!!|2021年11月

2021年度ENT M Dr.浅野登&暉子基金医学基礎研究奨励金に吉村彰紘先生が選ばれました!

コメント:助教の吉村です。この度、2021年度ENT M Dr.浅野登&暉子基金の医学基礎研究奨励金に「KRAS肺がんにおけるRAF/MEK阻害薬耐性の機構解明とその克服に向けた研究」という課題で選定いただき、11月28日に開催された研究助成贈呈式に参加させていただきましたので、ご報告させていただきます。 本年度は27件の課題の中から7件への助成が決定されましたが、私の課題がご評価いただけたようでした。今回頂戴しました奨励金を活用し、肺がん患者さんに有効な治療を届けるためにも研究を続けていきたいと考えております。今後とも引き続きよろしくお願いいたします。

吉村彰紘先生が令和2年度医学研究国際化推進事業「国際学会発表賞」の優秀賞を受賞!!|2021年11月

令和2年度医学研究国際化推進事業「国際学会発表賞」に吉村彰紘先生が優秀賞で選ばれました!

コメント:助教の吉村です。 この度、昨年のKALCで発表させていただきました“Impact of pre-treatment AXL expression on EGFR-TKI efficacy in patients with non-small cell lung cancer with EGFR mutation”が評価され、令和2年度医学研究国際化推進事業「国際学会発表賞」の優秀賞を受賞致しました。 本発表は、EGFR遺伝子変異陽性肺がんにおけるEGFR阻害薬の効果に関する腫瘍内AXL発現の意義を検討したものになります。その結果、腫瘍内AXL発現はEGFR-TKIの初回治療の効果予測因子として有望であることが明らかになりました。 髙山教授、山田先生をはじめ、ご指導頂きました先生方に深く感謝いたします。このような名誉ある賞を昨年、一昨年に引き続き、本年も受賞することができ、たいへん恐縮しております。今後とも引き続き、少しでも患者さんに貢献できるように研究を進めていきたいと思いますので、どうかよろしくお願いします。

大倉直子先生が令和2年度医学研究国際化推進事業「論文賞」の学長賞を受賞!!|2021年11月

令和2年度医学研究国際化推進事業「論文賞」に大倉直子先生が学長賞で選ばれました!

コメント:松下記念病院の大倉です。 この度、研究論文“ONO-7475, a novel AXL inhibitor, suppresses the adaptive resistance to initial EGFR-TKI treatment in EGFR-mutated non-small lung cancer.”が評価され、令和2年度医学研究国際化推進事業「論文賞」の学長賞を受賞致しました。 本論文は、EGFR肺癌におけるEGFR阻害薬の初期抵抗性の克服を目指し、チロシンキナーゼ型受容体のひとつであるAXL蛋白に着目した研究の成果報告になります。またこの研究結果をもとに、現在、治験が行われています。 授賞式では英語でのプレゼンテーションもあり、大変緊張しましたが、有意義な経験をすることが出来ました。 髙山教授、山田先生をはじめ、ご指導頂きました先生方に深く感謝いたします。この賞を励みに、より精進してまいりたいと存じます。 今後ともご指導ご鞭撻のほど何卒よろしくお願い申し上げます。

髙山浩一先生の記事が週刊新潮『10月21日号』に掲載されました!!|2021年10月

週刊新潮『10月21日号』に髙山浩一先生の記事が掲載されました!

コメント:本年1月にがん悪液質を適応症としてエドルミズが承認されました。4月に薬価収載されてすでに臨床で使用できる状況にあります。 グレリン様作用薬としては初めてのがん悪液質薬で世界的にも注目を集めています。エドルミズの服用で一部の患者さんでは明らかに食欲の亢進と体重の増加がみられますので、特に抗がん薬物で治療中の方には有用ではないかと考えています。 がん悪液質の認知度はまだまだ低く、一般の方ではその言葉すらご存知ない方がほとんどかと思います。少しでも認知度が上がればと考えて週間新潮の取材をお受けしました。 エドルミズに関する情報だけでなく、がん患者さんや医療従事者に向けて、もう少し体重に注意を払うよう記事の中でメッセージをお伝えしました。良かったら読んでみてください。

  

山田忠明先生が第113回ACCP日本部会賞を受賞!!|2021年9月

第113回ACCPにて山田忠明先生が日本部会賞を受賞しました!

コメント:准教授の山田です。 この度、ACCP日本部会(アメリカ胸部医学会日本部会)部会賞を受賞させていただきましたので、ご報告いたします。 ACCP日本部会とは、日本の指導的な胸部疾患専門医(呼吸器内科、呼吸器外科、循環器内科、心臓血管外科)が中心となり、1955年に設立された専門医の団体です。 今回は、現在、進行中の企業治験(ONO-7475-03試験)の基盤となった基礎的検討;EGFR変異陽性肺がんの治療抵抗性におけるAXLシグナル活性の意義に関する研究内容をご評価いただき、8月28日に開催された第113回ACCP日本部会定期教育講演会(Web開催)にて受賞講演をさせていただきました。 今後も当科から呼吸器疾患への臨床還元を目指した質の高い成果を発信できるよう鋭意努力してまいります。 引き続きご指導ご鞭撻いただきますようどうぞよろしくお願い申し上げます。 最後に、本賞へご推薦いただきました髙山浩一教授、共同研究者の先生方に心より感謝申し上げます。

大倉直子先生が第31回京都府立医科大学学友会青蓮賞を受賞!!|2021年3月

第31回京都府立医科大学学友会にて大倉直子先生が青蓮賞を受賞しました!

コメント:大学院4年目の大倉です。 この度、研究論文“ONO-7475, a novel AXL inhibitor, suppresses the adaptive resistance to initial EGFR-TKI treatment in EGFR-mutated non-small lung cancer.”が評価され、第31回京都府立医科大学学友会青蓮賞を受賞致しました。 本論文は、EGFR肺癌におけるEGFR阻害薬の初期抵抗性の克服を目指し、チロシンキナーゼ型受容体のひとつであるAXL蛋白に着目した研究の成果報告になります。 髙山教授、山田先生をはじめ、ご指導頂きました先生方に深く感謝いたします。この賞を励みに、より精進してまいりたいと存じます。 今後ともご指導ご鞭撻のほど何卒よろしくお願い申し上げます。

2020年度

吉村彰紘先生がKALC 2020 Merit Awards & Best Poster Presentation Awards受賞!!|2020年11月

KALC 2020にて吉村彰紘先生がMerit Awards & Best Poster Presentation Awards受賞しました!
コメント:大学院生の吉村です。
本年11月19-20日に韓国で開催された2020 Korean Association for Lung Cancer International Conference Virtualにて行ったポスター発表が、Merit Awards と Best Poster Presentation Awardsを受賞したとの連絡をいただきました。
今回はEGFR遺伝子変異陽性肺がんに対するAXL発現とオシメルチニブの治療効果に関する後方視的検討について報告させていただきました。virtual開催のため、現地での発表はかなわなかったですが、このような賞を、しかもダブルで受賞させていただき、たいへん恐縮しております。
ご指導いただきました山田先生、髙山先生には多大なる感謝を申し上げます。今後とも引き続き、少しでも患者さんに貢献できるように研究を進めていきたいと思いますので、どうかよろしくお願いします。

山田忠明先生が公益財団法人武田科学振興財団 2020年度医学系研究継続助成(がん領域:基礎)に選定!!|2020年11月

公益財団法人武田科学振興財団 2020年度医学系研究継続助成(がん領域:基礎)に山田忠明先生が選ばれました!
コメント:病院准教授の山田です。
本財団の2020年度“医学系研究継続助成(がん領域:基礎)”に選定いただきましたので、ご報告いたします。今回は、一昨年に授与いただきました“医学系研究助成(がん領域:基礎)”の継続を申請した研究の中から、我々を含めた6課題が採択されました。我々が現在、精力的に取り組んでいる肺がんの治療抵抗性に関する研究に関する成果がご評価いただけたようでした。
今後も肺がん患者さんの新たな診断・治療法の開発に貢献できるよう、大学院生の先生方と質の高い橋渡し研究を進めてまいりたいと考えております。

谷村恵子先生が第61回日本肺癌学会学術集会 優秀論文賞受賞!!|2020年11月

第61回日本肺癌学会学術集会にて谷村恵子先生が優秀論文賞を受賞しました!
コメント:非小細胞肺がんにおける抗PD-1抗体の治療効果と免疫関連有害事象との関連についての論文で、優秀論文賞を頂きました。肺がんの免疫療法について多くの研究成果が発表されている中、このような賞を頂けたことは大変光栄であり、ご協力・ご指導頂きました先生方に深謝申し上げます。今後も新たな発見を報告できるよう、引き続き精進したいと思います。

大倉直子先生が第61回日本肺癌学会学術集会 肺癌学会若手奨励賞受賞!!|2020年11月

第61回日本肺癌学会学術集会にて大倉直子先生が肺癌学会若手奨励賞を受賞しました!
コメント:この度、日本肺癌学会若手奨励賞を受賞いたしました。山田先生を始め、ご指導頂いた先生方に深く感謝致します。これを励みに一層努力して参りたいと思います。今後ともよろしくお願い致します。

山田忠明先生が第61回日本肺癌学会学術集会 日本肺癌学会篠井・河合賞受賞!!|2020年11月

第61回日本肺癌学会学術集会にて山田忠明先生が日本肺癌学会篠井・河合賞を受賞しました!
コメント:病院准教授の山田です。この度、日本肺癌学会篠井・河合賞を授与いただきました。これまでに取り組んできた肺癌研究の成果が高く評価いただき、光栄に感じております。本研究の題目は「肺がんの治療抵抗性因子の探索と根治を目指した新規治療法の開発」です。肺がん分子標的治療の初期に生じる治療抵抗性に注目した実験的研究を行い、その機構解明と新規治療法を明らかにしました。今後は、進行肺がん根治を目指したこれらの研究成果を臨床応用することで、肺がん診療に貢献したいと考えております。最後に髙山教授をはじめとする当教室の先生方のサポートに感謝申し上げます。

今林達哉先生が令和元年度医学研究国際化推進事業 論文賞 学長賞を受賞!!|2020年11月

令和元年度医学研究国際化推進事業にて今林達哉先生が学長賞を受賞しました!
コメント:末梢肺病変におけるクライオバイオプシーの論文で学長賞を頂きました。人生初めての受賞ですので、大変光栄に感じております。クライオバイオプシーのみならず、気管支鏡技術の発展、均てん化に貢献できるよう邁進して参ります。

西岡直哉先生が令和元年度医学研究国際化推進事業 論文賞 優秀賞を受賞!!|2020年11月

令和元年度医学研究国際化推進事業にて西岡直哉先生が優秀賞を受賞しました!
コメント:この度はこのような賞を頂戴し、たいへん光栄に思っております。本論文では、悪液質の存在が免疫治療に大きく影響を与えることを証明した内容となっており、今回の受賞は悪液質分野に皆様がご注目いただくようになった結果と考えております。癌患者の生活の質向上や治療を最大限高めるためにも、さらにこの疑問に対して追及していきたいと思います。

吉村彰紘先生が令和元年度医学研究国際化推進事業 論文賞 優良賞を受賞!!|2020年11月

令和元年度医学研究国際化推進事業にて吉村彰紘先生が優良賞を受賞しました!
※吉村先生は昨年の優秀賞に続いて2年連続の受賞となりました
コメント:本学の医学研究国際化推進事業として創設されました「論文賞」部門において、既治療進行非小細胞肺がん135例を対象としたドセタキセル+ラムシルマブによる治療効果に関する後ろ向き解析に関する論文で優良賞を受賞させていただきました。このような名誉ある賞を昨年に引き続き、受賞することができ、たいへん恐縮しております。ご指導いただきました山田先生、髙山先生には多大なる感謝を申し上げます。今後とも引き続き、少しでも患者さんに貢献できるように研究を進めていきたいと思いますので、どうかよろしくお願いします。

金子美子先生が京都府立医科大学令和元年度WLBみやこ賞を受賞!!|2020年11月

本学対象の論文募集にて金子美子先生が京都府立医科大学令和元年度WLBみやこ賞を受賞しました!
コメント:この度、令和元年度WLBみやこ賞を受賞させていただきました。対象論文は重症薬疹であるStevens-Johnson症候群に合併する閉塞性細気管支炎について検討しました報告です。(Respiratory complications of Stevens-Johnson syndrome (SJS): 3 cases of SJS-induced obstructive bronchiolitis Allergology International 69: 465-467, 2020) SJSは全身の皮膚粘膜に水泡とびらんを及ぼす重症薬疹で、一部の症例に閉塞性細気管支炎BOが示すことがしられていますが、稀少疾患のためその病態も実態も詳細不明です。当院で集約した3例を示し、多彩な病型や早期より肺移植の検討が必要な事などを論じました。じっくり臨床研究に取り組む姿勢や方向性をご指導いただきました当科の髙山教授、SJSの疾患理解をご指導いただきました眼科外園千恵先生に深く感謝申し上げます。
本研究は、SJS合併BOの全国実態調査(厚生労働科研)を担当させて頂くことに発展いたしました。
今後も微力ながら本テーマを進めてまいりたいと思います。

大倉直子先生が第24回日本がん分子標的治療学会学術集談会 優秀ポスター賞受賞!!|2020年10月

第24回日本がん分子標的治療学会学術集談会にて大倉直子先生が優秀ポスター賞を受賞しました!
コメント:この度、第24回日本がん分子標的治療学会学術集談会優秀ポスター賞を受賞致しました。
ご指導頂いた先生方に深く感謝致します。これからも精進してまいりたいと思います。
今後ともよろしくお願い致します。

森本健司先生が第24回日本がん分子標的治療学会学術集談会 優秀演題賞受賞!!|2020年10月

第24回日本がん分子標的治療学会学術集談会にて森本健司先生が優秀演題賞を受賞しました!
コメント:この度、第24回日本がん分子標的治療学会学術集会で優秀演題賞を頂きました。EGFR遺伝子肺癌への免疫チェックポイント阻害薬の治療効果を後方視的に検討した報告になります。本研究に関して、髙山先生、山田先生をはじめ、御指導いただきました先生方にこの場を借りて御礼申し上げます。今回の受賞を励みとして、今後もがんの研究を進めてまいります。今後ともご指導ご鞭撻を賜りますよう何卒よろしくお願い申し上げます。

菅佳史先生が第111回日本肺癌学会関西支部学術集会 優秀演題賞受賞!!|2020年2月

第111回日本肺癌学会関西支部学術集会にて菅佳史先生が優秀演題賞を受賞しました!
コメント:専攻医一年目の菅佳史です。
この度は第111回日本肺癌学会関西支部学術集会において発表させて頂いた「当院における進行非小細胞肺癌の複合免疫療法に関する後方視的検討」が優秀演題賞を受賞致しました。
本発表は当院における複合免疫療法の有効性、忍容性、効果予測因子を後方視的に検討したものです。本学会では活発な質疑応答が行われており、大変刺激を受け貴重な経験をさせて頂きました。この経験を糧にさらに精進して参ります。

2019年度

吉村彰紘先生が平成30年度医学研究国際化推進事業「論文賞」優秀賞受賞!!|2019年10月

平成30年度医学研究国際化推進事業にて吉村彰紘先生が「論文賞」優秀賞を受賞しました!
コメント:平成30年度より本学の医学研究国際化推進事業として創設されました「論文賞」部門において、高齢者非小細胞肺癌に対するS-1/PTX併用化学療法の有効性に関する論文で優秀賞を受賞させていただきました。この度はこのような賞をいただき、たいへん恐縮しております。今後とも引き続き、少しでも患者さんに貢献できるように研究を進めていきたいと思います。

山田忠明先生が公益信託 癌臨床研究助成基金交付者に選定!!|2019年9月

公益信託 癌臨床研究助成基金交付者に山田忠明先生が選ばれました!
コメント:この度、「小細胞肺がんの腫瘍内PD-L1発現に関する最適診断法の開発」の題目にて、癌臨床研究助成基金の研究助成を授与いただきました。現在、小細胞肺がんについても免疫複合治療が保険承認されていますが、有用な予測因子は確立しておりません。いただいた研究費を大切に使わせていただき、臨床研究を進めていきたいと考えております。

山田忠明先生が日本呼吸器学会International Session Award受賞!!|2019年4月

日本呼吸器学会にて山田忠明先生がInternational Session Award受賞しました!
コメント:本年4月に東京で開催された第59回呼吸器学会学術講演会にて行った口演発表が、International Session Awardを受賞したとの連絡をいただきました。今回の選考基準は、国際委員会による発表内容に関する査読結果 と当日発表の座長の先生による採点結果の総合評価により審査されたとのことでした。つたない英語での発表でしたので、思いもかけずこのような賞をいただき、たいへん恐縮しております。
当科では、呼吸器疾患に関わる臨床試験や臨床研究の他、大学院生の先生方と共に患者さんに還元できうる成果を得るべく、基礎研究についても精力的に研究活動を続けております。

吉村彰紘先生が青蓮賞授賞式および受賞記念講演会で青蓮賞を受賞!!|2019年3月

青蓮賞授賞式および受賞記念講演会にて吉村彰紘先生が青蓮賞を受賞しました!
コメント:第29回京都府立医科大学学友会青蓮賞に選出されまして、2019年3月1日に執り行われました青蓮賞授賞式および受賞記念講演会で青蓮賞を受賞させていただきました。この度は大変名誉ある賞を受賞することができ、ご協力およびご指導いただきました先生方には大変感謝申し上げます。今後ともご指導ご鞭撻のほど、どうぞよろしくお願いいたします。

金子美子先生が難病医学研究財団医学研究奨励助成金交付者に選定!!|2019年2月

難病医学研究財団医学研究奨励助成金交付者に金子美子先生が選ばれました!
コメント:本財団の平成30年度医学研究奨励助成金に選んでいただき1月16日に帝国ホテルでの授賞式に参加しました。今回は、Stevens-Johnson症候群 (SJS)呼吸器合併症の実数調査と診療科横断的レジストリの構築を目指して、皮膚科・眼科と共同で呼吸器併存症の実態調査を行う臨床研究に対する助成です。SJS呼吸器合併閉塞性細気管支炎は慢性呼吸不全により晩期死亡の主要要因となりますが、稀少疾患故その実態は私ども呼吸器内科医でもほとんど認知できておりません。本助成を頂き、全国実態調査と内科側への疾患啓蒙を進めたいと思います。

山田忠明先生が臨床薬理研究振興財団 研究奨励金交付 財団賞を受賞!!|2019年1月

臨床薬理研究振興財団より山田忠明先生が研究奨励金交付者に選ばれました!

コメント:病院准教授の山田です。本財団の平成30年度研究奨励金交付者に選んでいただき、1月8日に本学において「贈呈証書」を授与されましたのでご報告いたします。
今回は、我々が肺がんの基礎研究で見いだした研究成果を元に、現在、多施設共同研究として行っている前向き観察研究に関する内容がご評価いただけました。将来的に肺がん患者さんの新たな診断・治療法の開発に貢献できるよう今後も臨床研究を精力的に進めてまいりたいと考えております。

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