ご挨拶

未来の医学を担う君へ

髙山浩一 教授

髙山浩一 教授

当科のホームページをご覧いただきありがとうございます。内容を刷新するにあたり、医局の主宰者としてあらためてご挨拶させていただきます。

さて、当科のホームぺージを見ていただけるのはどのような方でしょうか。願わくは医療関係者だけでなく、広く一般の方にも見ていただき、当科のことを少しでも知ってもらえたら嬉しく思います。中でも、将来の専門領域をまだ決めていない研修医の皆さんには是非見ていただきたいと願っています。そこで、このあいさつ文の中では、そのような研修医諸君に向けてメッセージを発信させていただきます。

呼吸器病学の魅力については私がここで述べるよりも、皆さんの先輩方が自分の言葉で語っていますから動画コンテンツをご視聴ください。多くの方が述べているとおり、肺という臓器には感染症から腫瘍まできわめて多彩な疾患が生じるということに尽きると思います。しかし、残念なことに呼吸器病で亡くなる患者さんは年々増加の一途をたどっています。裏を返せば、呼吸器病学とはまだまだ不完全な学問であり、解決すべき難問は山のようにあります。間違いなく一生をかけて取り組むに足る大きな学問領域です。

さて、皆さんはどうやって将来の専門を決めるのでしょうか。今まで多くの先生にこの質問をしてきました。理由は多岐にわたります。病気で苦しむ人を近くで見ていたからというのは強い動機ですね。それが自分自身や親兄弟のことであればなおさらでしょう。部活の先輩に誘われてというのはよく聞きますし、ブラックジャックにあこがれて外科医になったという人もいます。きっかけは何でも構わないと思います。是非自分が選んだ道をまっすぐに進んでください。

当科に入局してくる先生方の理由もさまざまですが、医局の雰囲気がよかったからと言ってくれる先生が多いのは嬉しいことです。専門領域を決めるにあたって、医局の雰囲気というのは結構大事なことと私は考えています。仕事の内容と直接関係ないではないかと言われるかもしれませんが、入局したら医局の先生方は職場の先輩になりますし、一緒に入局する人たちは同期として今後助け合っていく仲間です。ストレスの多い医療の現場で働いていく上で、人間関係は極めて重要です。医局の雰囲気にシンパシーを感じることは、その医局の先生方とよい人間関係を築いていける可能性が高いことを意味します。それは、医師として働く上で、疾患への関心に勝るとも劣らない大事なことのように思います。入局を考えている医局には必ず見学に行き、できれば医局の先生方と一緒に食事をしたり、お酒を飲んだりして医局の雰囲気に直に触れてみることをお勧めします。

それでは、医局の雰囲気とはどうやって形成されるものでしょうか。もちろん個々の先生方の個性に依存するところは大きいと思います。明るい先生が多ければ、明るい雰囲気になりますし、おとなしい先生が多ければ静かな雰囲気になるでしょう。そして、そこには多少なりとも医局を主宰する教授の考え方が反映されるように思います。私も30数年の医師人生の中で、幾人かの教授の元で仕事をしてきましたから、教授が替わると医局の雰囲気も何となく変わるのを肌で感じていました。
そこで、私の医局運営に関する考え方を述べておきます。医局が何のためにあるのかと言えば、一にも二にも医局員の皆さんが自己実現を達成するためです。そのためにも、自分はどうしたいのかをまず自分自身に問うてください。10年、20年先のことでなくても構いません。それこそ来年のことでもよいのです。皆さんの目指す方向に沿って医局は支援を惜しみません。

ただ、最初から目標としての確固たる医師像を持っている人はまれです。実際に私も研修医のころは日々の診療業務に追われて、先のことなどあまり考えたことはありませんでした。しかし、同門のいろんな先生と一緒に仕事をしたり、話しを聞いたりしているうちに自然と見えてきたものがあるように思います。
医師には診療だけでなく、研究や教育という大事な仕事があります。その比重は職場によって異なりますが、自分の将来を考える上でこの三つの視点は必ず持っていてください。そして、若い間は同じ場所にとどまることなく、いろんな職場で働いて視野を広げましょう。変化を恐れてはいけません。一年、一年人生経験を積むうちに、いつか皆さんは診療、研究、教育の中で自分が何に最も関心があるのかを自覚するようになります。その時が来るまで医局は皆さんに寄り添い、そして目指すべき方向が見えたらその後押しをします。
呼吸器内科という窓から医学という広大な世界をしっかり自分の目でとらえ、自己実現を果たしてください。皆さんが実り多い医師人生を送っていただける医局でありたいと心より願っています。

最後に、当科は本学内外の皆さんに広く門戸を開いています。この文章を読んで何か感ずるところがあれば、遠慮なく当科の扉をたたいてください。千年の都、京都の地で未来の医学を担う皆さんの来訪を楽しみにお待ちしています。

髙山浩一 教授

教授プロフィール

髙山 浩一 教授

出身大学 九州大学
主な略歴
1987年 九州大学医学部卒業
1987年 九州大学医学部附属病院医員(研修医)(呼吸器科)
1995年 医学博士取得(九州大学大学院医学系研究科)
1995年 九州大学医学部附属胸部疾患研究施設 助手(内科部門)
2000年 米国アラバマ大学バーミンハム校 遺伝子治療センター研究員
2003年 九州大学病院講師
2009年 九州大学病院がんセンター 化学療法部門長併任
2010年 九州大学大学院医学研究院臨床医学部門内科学 呼吸器内科分野 准教授
2015年 京都府立医科大学大学院医学研究科内科学教室 呼吸器内科部門 教授
2019年 京都府立医科大学附属病院 がんゲノム医療センター長 併任
2021年 京都府立医科大学附属病院 がん薬物療法部部長 併任
2023年 京都府立医科大学附属病院 地域医療推進部部長 併任
2023年 京都府立医科大学附属病院 副病院長
主な資格・専門医など
日本内科学会 認定医、評議員
日本呼吸器学会 専門医、指導医、代議員
日本肺癌学会 理事、評議員
日本臨床腫瘍学会 協議員
日本がんサポーティブケア学会 評議員
日本がん治療認定医
専門分野 呼吸器内科学
臨床腫瘍学
受賞歴
2001年 日本呼吸器学会 奨励賞
2004年 日本肺癌学会 篠井・河合賞
2017年 後藤喜代子・ポールブルダリ科学賞 特別賞

講演活動

呼吸器内科学では、呼吸器疾患に関する様々な講演活動を行なっています。
一般の方も参加することができ、質疑応答のお時間も設けています。
検査や治療について疑問に思っていることがあれば、何でもご質問いただき、
今後の検査や治療を円滑に進めていく上で参考になれば幸いです。

肺がんについて考える会

講師:髙山 浩一 医師

本学大学院医学研究科呼吸器内科学教授
本学附属病院呼吸器内科部長

お知らせ

肺がんについて考える会へご参加の皆様へ

平素より「肺がんについて考える会」にご参加いただきありがとうございます。
今後も肺がん患者様とそのご家族、ならびに肺がん診療にご関心をお持ちの皆様に、肺がんに関するさまざまな情報を提供する機会にしたいと考えております。
しかしながら、ニュース等で報道されているとおり、新型コロナウィルスによる感染症が今後日本国内でも広がる懸念があります。当院は指定医療機関でもあり、診療以外での当院への来院は感染予防の観点からできるだけ控えていただきたいと思います。
そのため、今月の「肺がんについて考える会」は休会とさせていただきますのでご了解いただければ幸いです。コロナウィルス感染症の動向を確認した上で、再開の時期をホームページ上であらためてお知らせいたします。
ご理解のほどどうぞよろしくお願い申し上げます。

【日 時】 未定
【テーマ】 未定
【場 所】 京都府立医科大学附属病院外来診療棟2階 呼吸器センター74診察室

髙山浩一 教授

※公共交通機関等でご来院願います
【お問い合わせ】 075-251-5513(京都府立医科大学呼吸器内科医局)

これまでの開催

第85回 2020年2月12日(水) 血液検査のみかた
第84回 2020年1月22日(水) 肺癌の免疫治療
第83回 2020年1月8日(水) がん治療中の感染予防
第82回 2019年12月4日(水) 小細胞肺がんの治療
第81回 2019年11月13日(水) 肺癌の放射線治療
第80回 2019年10月23日(水) 健康食品・サプリメント
第79回 2019年9月18日(水) 治療効果の判定
第78回 2019年9月4日(水) 臨床試験のしくみ
第77回 2019年8月21日(水) がんのゲノム医療
第76回 2019年7月31日(水) がん治療における体重測定の意義
第75回 2019年7月17日(水) 血液検査の見かた
第74回 2019年6月26日(水) 肺癌の免疫療法
第73回 2019年6月12日(水) がん治療と栄養
第72回 2019年5月22日(水) 在宅酸素療法
第71回 2019年5月8日(水) がん治療中の感染予防
第70回 2019年4月17日(水) 肺癌の手術
第69回 2019年4月3日(水) 分子標的薬の副作用
第68回 2019年3月13日(水) 肺癌の放射線治療
第67回 2019年2月27日(水) 肺癌の免疫療法
第66回 2019年2月13日(水) 臨床試験のしくみ
第65回 2019年1月23日(水) 医療用麻薬オピオイド
第64回 2019年1月9日(水) 健康食品・サプリメント
第63回 2018年12月19日(水) 肺癌診療ガイドラインの改訂
第62回 2018年12月5日(水) 血液検査の見かた
第61回 2018年11月21日(水) 今の治療が効かなくなったら
第60回 2018年10月24日(水) 肺がんの診断・治療のための検査
第59回 2018年10月3日(水) がんによる精神的ストレス
第58回 2018年9月12日(水) タグリッソについて
第57回 2018年8月22日(水) 肺がんの放射線治療
第56回 2018年8月1日(水) 米国臨床腫瘍学会のトピックス2
第55回 2018年7月18日(水) 米国臨床腫瘍学会のトピックス
第54回 2018年6月13日(水) がん診療における病院連携
第53回 2018年5月30日(水) がん治療中の感染予防
第52回 2018年5月9日(水) がんのゲノム医療
第51回 2018年4月18日(水) 健康食品・サプリメント
第50回 2018年3月28日(水) 3つめの免疫チェックポイント阻害剤 テセントリク
第49回 2018年2月21日(水) 医療用麻薬オピオイドについて
第48回 2018年2月7日(水) 血液検査結果の見方
第47回 2018年1月24日(水) 肺がん診療ガイドライン2017
第46回 2018年1月10日(水) 臨床試験について
第45回 2017年12月27日(水) 肺癌の免疫療法
第44回 2017年12月13日(水) がんによる精神的ストレスの評価と対応
第43回 2017年11月29日(水) 肺がんの2次治療 ドセタキセル/サイラムザ
第42回 2017年11月8日(水) がん診療における医療連携
第41回 2017年10月18日(水) 肺癌の分子標的治療と遺伝子検査
第40回 2017年10月4日(水) 肺がんの放射線治療・粒子線治療
第39回 2017年9月20日(水) 欧州臨床腫瘍学会のトピックス
第38回 2017年9月6日(水) 肺癌の検査について
第37回 2017年8月23日(水) 肺がん治療効果の評価
第36回 2017年8月2日(水) 治療中の感染予防
第35回 2017年7月19日(水) 在宅酸素療法
第34回 2017年6月28日(水) 米国臨床腫瘍学会のトピック
第33回 2017年5月31日(水) アリムタ、ドセタキセルについて
第32回 2017年5月17日(水) 免疫チェックポイント阻害剤について
第31回 2017年4月19日(水) 臨床試験のしくみについて
第30回 2017年4月5日(水) 抗がん剤の副作用と対策
第29回 2017年3月15日(水) 健康食品・サプリメント
第28回 2017年3月1日(水) 運動療法
第27回 2017年2月16日(木) キイトルーダについて
第26回 2017年1月18日(水) 最新版肺癌診療ガイドラインの紹介
第25回 2017年1月11日(水) 最新版肺癌診療ガイドラインの紹介
第24回 2016年12月28日(水) 薬剤性肺炎について
第23回 2016年12月14日(水) 免疫チェックポイント阻害剤の服作用
第22回 2016年11月30日(水) 肺がんのCT画像と経過観察
第21回 2016年11月9日(水) EGFRチロシンキナーゼ阻害剤による副作用と対策
第20回 2016年10月26日(水) 精神的なストレスへの対応
第19回 2016年10月12日(水) 抗がん剤の副作用 -食欲低下について-
第18回 2016年9月21日(水) 肺癌診療ガイドラインの紹介
第17回 2016年9月7日(水) 肺がんの診断と治療について
第16回 2016年8月24日(水) 肺がんの診断と治療について
第15回 2016年8月10日(水) 肺がんの診断と治療について
第14回 2016年7月27日(水) 肺がんの診断と治療について
第13回 2016年7月13日(水) 肺がんの診断と治療について
第12回 2016年6月15日(水) 肺がんの診断と治療について
第11回 2016年6月1日(水) 肺がんの診断と治療について
第10回 2016年5月11日(水) 肺がんの診断と治療について
第9回 2016年4月20日(水) 肺がんの診断と治療について
第8回 2016年4月6日(水) 肺がんの診断と治療について
第7回 2016年3月23日(水) 肺がんの診断と治療について
第6回 2016年3月9日(水) 肺がんの診断と治療について
第5回 2016年2月24日(水) 肺がんの診断と治療について
第4回 2016年2月10日(水) 肺がんの診断と治療について
第3回 2016年1月27日(水) 肺がんの診断と治療について
第2回 2016年1月13日(水) 肺がんの診断と治療について
第1回 2015年12月16日(水) 肺がんの診断と治療について

呼吸器内科の
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